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建設業の売上計上時期、税務調査で見られるポイント

       

建設業の売上計上時期、税務調査で見られるポイント

建設業の税務調査で、調査官が注目するポイントの一つが「売上をいつ計上したのか」という点です。

特に決算期をまたぐ工事については、「本来は当期の売上なのに、翌期に繰り延べていないか」という視点から、工事の完成・引渡しの状況を細かく確認されることがあります。

この記事のポイント

  • 建設業の税務調査では、「売上の計上時期(期ずれ)」が厳しくチェックされる
  • 売上の基準は「請求日」や「入金日」ではなく、原則として「完成・引渡しの日」
  • 請求書の日付だけでなく、工事完了日や検収日などの「実態」が証拠として確認される
  • 決算期をまたぐ工事は特に注意が必要であり、現場と経理の連携が不可欠

請求書を出した日が売上計上日とは限らない

建設工事の売上は、単純に「請求書を発行した日」や「入金された日」を基準に決めるものではありません。

原則として重要なのは、工事が完成し、相手方に引き渡された時点です。

例えば、3月決算の会社で、3月25日に工事が完成し、4月10日に請求書を発行したとします。この場合、「請求書を4月に発行したから4月の売上」と処理するのは適切とは限りません。

【図解:3月決算の会社における売上計上の違い】

項目 発生日 正しい売上計上時期 税務調査で指摘されるNGな経理処理
工事完成・引渡し 3月25日 当期(3月の売上として計上)
請求書発行 4月10日 「請求書を出した4月」の売上にしてしまう
代金入金 5月31日 「入金された5月」の売上にしてしまう

税務調査で確認される「実態」とは

税務調査では、請求書の日付だけでなく、

「実際に工事が完成したのはいつなのか」

「施主への引渡しはいつなのか」

「検収はいつ行われたのか」

「施主がいつから使用できる状態になったのか」

といった実態が確認されます。

【調査官が実態を確認するためにチェックする主な書類・ポイント】

税務調査で確認される資料

  • 作業日報・工事台帳:現場での作業が実質的にいつ終わっているか
  • 引渡書・完了報告書:施主に対していつ引き渡しを完了したか
  • 検収書:施主が工事内容を確認し、問題ないと承諾した日はいつか
  • 検査済証・官公庁への届出:公的な使用許可が下りた日、または施主が実際に使い始めた日はいつか

【補足知識】建設業における「売上計上基準」の種類

建設業の売上(工事収益)をどのタイミングで計上するかについては、主に以下の2つの基準が存在します。今回解説した「期ずれ」の指摘は、主に①の基準を採用している場合に起こりやすい問題です。

  1. 工事完成基準
    工事がすべて完成し、施主に引き渡した時点で「一括して」売上を計上する方法です。工期が短い工事や、中小規模の建設会社で一般的に採用されています。決算月付近で完成する工事の処理に最も注意が必要です。
  2. 工事進行基準
    工事の進捗度合い(かかった原価の割合など)に応じて、期間ごとに「分割して」売上を計上する方法です。工期が長期間にわたる大規模な工事などで適用されます。

建設業の税務調査において、「売上の計上漏れ」や「期ずれ」は追徴課税の対象になりやすい最重要項目です。現場の担当者と経理担当者の間で情報共有を徹底し、工事の完成日や引渡日が正確に経理へ伝わる社内体制を整えておくことが大切です。

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