会社は出資者と経営者の関係性によって区分されます。
出資者と経営者が別人でも問題のない株式会社と経営者になるには出資しないといけない持分会社です。
持分会社には合名会社・合資会社・合同会社とありますが、有限責任である合同会社がほとんどで、合名会社や合資会社はあまり見かけなくなりました。
株式会社 | 合同会社 | |
資本金 | 1円~ | 1円~ |
設立に必要な人数 | 1人以上 | 1人以上 |
設立時の登録免許税 | 150,000円 | 60,000円 |
設立時の定款認証手続き | 必要(約52,000円) | 不要 |
定款認証印紙代 ※電子定款の場合は不要 |
40,000円 | 40,000円 |
出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
経営者 | 株主によって選ばれた取締役 | ・定款に定めなければ出資者全員 ・定款に定めることで出資者のうち経営者にあたる「業務執行社員」「代表社員」を指定できる |
代表者 | 代表取締役 | 代表社員 |
役員の任期 | 最長10年 | 任期なし |
決算公告 | 必要 | 不要 |
利益の配分 | 出資割合による | 原則は出資割合によるが自由に定めることもできる |
株式・持分の譲渡 | 自由 | 社員全員の同意が必要 |
合同会社を選ぶ最大のメリットは設立費用の安さです。
費用が少ない分手続きも株式会社よりも簡単です。
また、株式会社とは違い決算公告の義務もなく、役員任期の更新もいりません。
株式会社よりも規制が緩いにもかかわらず、株式会社と同じ税制が適用されることも合同会社のメリットです。
反対に、合同会社という会社形態を知らない人も多いです。
最近は合同会社も増えてきてはいますが、社会的なイメージは株式会社の方が良いようです。
出資者と経営者が分かれている株式会社とは違い、合同会社は出資者全員が経営権を持っており、出資割合にかかわらず全員に同じ決定権が与えられます。
社員間で意見が食い違った際に会社の意思決定をとるのが難しくなるリスクがあります。
株式会社 | 合同会社 | ||
メリット | デメリット | メリット | デメリット |
資金調達の選択肢が広い | 設立にかかる費用が合同会社よりも多い | 設立にかかる費用が株式会社よりも少ない | 資金調達の選択肢が少ない |
出資者は全員が有限責任 | 会社の組織や運営に法令の規定が多い | ・会社の維持にかかる手間と費用が少ない ・意思決定がしやすい |
出資者の人間関係や合意形成に努力が必要 |
認知度・対外的な信用面は合同会社よりも高い | 利益の配分は株数に応じる | 出資者は全員が有限責任 | 認知度・対外的な信用面は株式会社よりも低い |
出資割合にかかわらず利益の配分をすることができる | 上場できない | ||
組織運営の自由度が高い | 権利譲渡や事業継承がやりにくい |
今回は分かりやすいように簡単に紹介しましたが、これらのメリットとデメリットは会社の事業内容や規模、将来性等によって重要性は大きく変わります。
もし、どちらが良いのかはっきりと決められない場合には、株式会社を選択しておくのが良いと思います。
また、設立した後に組織変更することもできます。
自分の事業にはどちらが適しているか検討してみてください。
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