利益が出たらすぐ節税?やってはいけない節税対策3選
はじめに
「利益が出た=とにかく税金がもったいない!」という気持ちから、
慌てて節税をしようとする方は少なくありません。
しかし、誤った節税対策は「将来の負担増」や「資金繰りの悪化」につながるリスクがあります。
今回は、会計事務所の視点から「やってはいけない節税対策3つ」を紹介し、
それぞれの落とし穴と代替案についても解説します。
節税NG①:とりあえず高額な備品を買う
・よくあるケース
「今年利益が出たから、パソコン10台まとめて買った」
「社用車を年末に一括で購入した」
・なぜNG?
- 本当に必要な設備でなければ“お金のムダ”
- 一時的な節税効果しかなく、来年以降のキャッシュを圧迫
- 減価償却で数年にわたってしか経費化できない場合も
・代替案
- 必要性とタイミングを精査してから購入
- リースや割賦購入との比較も重要
- 少額減価償却資産の制度を活用して、適切に処理
節税NG②:「とにかく社長にボーナスを出す」
・よくあるケース
「賞与として払えば経費にできるよね」と、年末に社長へ臨時ボーナスを出す
・なぜNG?
- 中小企業の社長への賞与は原則“損金不算入”(経費にならない)
- 社会保険料や所得税の負担が増えるだけ
- 要件を満たしていないと“税金が余計に増える”ことも
・代替案
- 定期同額給与・事前確定届出給与など正しい方法で役員報酬を設計する
- 将来の退職金や企業年金制度の整備で中長期的に対応する
節税NG③:「意味のない交際費を増やす」
・よくあるケース
「経費になるから」と、やたら高額な接待やギフトを増やす
・なぜNG?
- 経費にしても実際にキャッシュは出ていくため、資金繰りを悪化させる
- “節税のための浪費”は本末転倒
- 交際費にも一定の上限・制限がある
・代替案
- 節税目的ではなく、事業に必要かどうかで判断
- 福利厚生費との区別を明確にして正確に処理
- 接待や贈答は「記録・領収書」が必須!
まとめ:「節税=支出」ではない!
節税=お金を使う、ではありません。
最も良い節税は、“会社にお金を残しながら税金を抑える”方法です。
まずは慌てず、会計事務所などの専門家と一緒に以下を考えることが重要です。
- 会社のキャッシュフロー
- 来期の事業計画
- 社長のライフプラン(退職金・相続など)
焦ってお金を使う前に、“お金を守る節税”を考えましょう。
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